令和4年県民環境委員会 本文 2022-12-12

【小木曽史人委員】
 ゼロカーボンシティについて、本年11月30日時点で、全国では43都道府県471市20特別区231町39村が宣言しているが、本県は、宣言していない4県に入る。
 あいち地球温暖化防止戦略2030では、2030年に目指すべき姿を、低炭素社会の実現としていたが、今回の改定に伴い2050年に目指すべき姿として、2050年カーボンニュートラルの実現と明記している。
 これは、今回のあいち地球温暖化防止戦略2030の改定をもって、本県がゼロカーボンシティ宣言をするということでよいか。

【地球温暖化対策課長】
 本県の2050年カーボンニュートラルの実現は、あいち地球温暖化防止戦略2030(改定版)の中で、長期目標に位置付けているものである。

【小木曽史人委員】
 本県のゼロカーボンシティ宣言は、どのようにすれば宣言したことになるのか。

【地球温暖化対策課長】

 環境省は、2050年ゼロカーボンシティの表明方法として、定例記者会見やイベント等で首長が表明、議会で首長が表明、報道機関へのプレスリリースで首長が表明、各地方自治体がホームページで表明の四つを例として示している。
 本県のゼロカーボンシティ表明は、知事の定例記者会見で宣言したいと考えている。

【小木曽史人委員】
 本年3月、あいちサーキュラーエコノミー推進プランが策定され、今後、循環ビジネスを中心とした資源循環に関する施策と取組が加速すると承知している。その施策と取組の中心として、6分野でサーキュラーエコノミー推進モデル事業が掲げられている。
 そこで、本年度、サーキュラーエコノミー推進モデル事業に関するアンケートを実施したと聞くが、その目的と結果、課題について伺う。

【資源循環推進課担当課長(循環・一般廃棄物)】
 本アンケートは、本年3月に策定したあいちサーキュラーエコノミー推進プランに掲げたプラスチックや太陽光パネルなど、六つのモデルを具体化するプロジェクトチームの立ち上げに向け、各モデルやプロジェクトチームへの関心度、プロジェクトチームで取り組みたい内容などを把握することを目的として、7月から8月にかけて実施した。各種業界団体や県関係局などを通じて、県内約2万1,000事業者で実施したところ、143事業者から回答があった。
 各モデルやプロジェクトチームへの関心度として、大いにある、またはあると回答した事業者は延べ261社であり、内訳としてプラスチック循環利用は80社、ほかの5モデルはそれぞれ40社程度であった。
 また、プロジェクトチームで取り組みたい内容として、例えばプラスチックに関しては、循環利用が難しい廃プラスチックのマテリアル利用、プラスチックの代替となるバイオマス資源の利用促進が、太陽光パネルに関しては、リサイクルガラスの用途開発が挙げられるなど、新たなリサイクル技術やシステムの導入により、資源として有効利用していく取組についての回答が多く見られた。
 これらの取組を進めていく課題としては、設計、生産から廃棄までの製品のライフサイクルを踏まえたリサイクルループの構築が必要であると多くの事業者が答えており、1社ではできないことを事業者が連携して取り組むことができるプロジェクトチームへの期待が大きいことを感じた。そして、こうした事業者連携を効果的に実現していくことが、県にとって一番の課題であると認識している。

【小木曽史人委員】
 アンケート結果を基に、今後具体化していくということであるが、プロジェクトチームに参画する事業者の公募は、11月21日に締め切られた。今後は事業者の決定、プロジェクトチームの発足というスケジュールで進めていく予定と理解している。
 事業者の決定は今月下旬と聞くが、プロジェクトチームに参画したい企業の公募結果はどのようであったか。

【資源循環推進課担当課長(循環・一般廃棄物)】
 プロジェクトチームの公募に当たっては、アンケートで寄せられた意見や個別に実施したヒアリングの結果を、各プロジェクトチームで事業化を進める取組として反映させた。
 また、事業者から特に関心の高かったプラスチックに関しては、廃プラスチックのマテリアル利用とバイオマス資源の利用促進に取り組む2チームとし、六つのモデルに対して七つのプロジェクトチームをつくることに決定した上で、10月から11月にかけて公募を実施した。
 応募資格は、県内に本社、事業所など拠点を有する者または拠点を整備する予定のある者、県内に拠点はないが独自の技術やシステムを有し、本事業に積極的に参画したい者とし、その上で参画を希望するチーム、チーム課題、自社のチーム内での役割・取組などを記載したエントリーシートの提出を求めた。
 公募の結果、67事業者から応募があった。1番希望が多かったのは、廃プラスチックのマテリアル利用のチームで24社、一番少なかったチームは、リペア・リビルドで8社、ほかのチームは10社以上となっており、複数のチームを希望した事業者を含め、延べ100事業者以上から応募があった。
 現在、エントリーシートを精査し、応募のあった事業者へのヒアリングを実施しているが、多くの事業者はプロジェクトチームの取組を十分理解し、積極的な関わりを希望していると考えられるため、7チーム全ての立ち上げができると見込んでいる。
 引き続き、他の事業者との連携や協働が円滑に行えるか、取組の実現可能性が高いかなどを判断しながら、チームに参画する事業者を選定し、来年1月にプロジェクトチームの立ち上げができるよう進めていく。

【小木曽史人委員】
 プロジェクトチームでの取組は、今後、どういったスケジュールで事業化を目指していくのか。また、プロジェクトチームへの支援の在り方も含めた、今後の進め方を伺う。

【資源循環推進課長】
 プロジェクトチームのスケジュールは、5年間をめどに事業化を図ることとして事業者に案内しているが、チームの進捗状況によっては、短縮、延長も可能と考えている。本年度は、各事業者が抱える課題を共有しつつ、チーム全体での解決に向け、各事業者が持つ技術や強みを活用しながら、事業の方向性や方針を決定する予定である。その上で、来年度からの3年間で事業化の検討や実証を行い、5年目にはリサイクル関係設備の整備が実施されるなど、事業化につながるよう進めていきたい。
 県としては、各チームの活動が計画的に実施されるよう、チーム会議を定期的に開催するとともに、市場調査や先進事例調査などを行い、チームの合意形成に必要な情報を適宜提供していく。また、チーム会議では、事業者による議論が深まるよう、豊富な知識と経験を有する循環ビジネス創出コーディネーターや大学教授などの有識者を派遣し、しっかりとサポートしていきたいと考えている。
 さらに、今後事業化を進めていく上で必要となる新たな連携事業者の確保や国、県の持つ補助金の活用方法の紹介など、主体的なチーム活動を重んじながらも、積極的に様々な後方支援を行っていく。

【小木曽史人委員】
 循環ビジネスは、様々な産業・業界で注目度が高く、特に大企業を中心に展開されており、今後もそのスピードが速くなると予想される。モデル事業に参画した企業は、利益を生み出して、持続可能なものとして事業展開していくことを期待している。
 社会の変化に遅れることなく、6分野全てのモデル事業が、循環ビジネスの県内のトップランナーとして、また、それぞれのロールモデルとしてうまく機能するよう、参画企業のニーズをしっかり捉えながら進めていくことを要望する。

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