令和5年県民環境委員会 本文 2023-03-14

【小木曽史人委員】
 県民のライフスタイルを変えていく取組として、プラスチックごみや食品ロスの削減が社会課題となっている。事業者の努力も必要であるが、県民全体で意識のレベルアップを図ることが重要である。
 県がパンフレットやポスター、動画を作成して県民に訴えかける取組も非常に大切だと思うが、自分事として取組に参加してもらうことが最も効果的であると考える。
 例えば県民参加型の事業のうち、循環型社会の形成に向けた新たな取組として、各家庭の食品ロス量を把握し、減量にチャレンジする事業が実施されると聞いているが、具体的にどういう事業なのか。

【資源循環推進課担当課長(循環・一般廃棄物)】
 国が2017年度に実施した実証事業では、食品ロスの計量を行うことで約2割、さらに削減の取組を守ることで約4割の食品ロス量が削減されたという結果が報告されている。
 そこで来年度は、各家庭で食品ロス量を把握し、減量にチャレンジする事業を行うこととしている。その内容は、県が作成する冊子を参考にして、食品ロス削減を意識しながら、日々の食品ロス量を把握し、減量にチャレンジした結果を応募してもらう。併せて、自ら考えた効果的な食品ロス削減の取組の提案も募集し、応募者に対しては、抽選で賞品を贈呈するなど、事業への参加の楽しみが増すように工夫することで、県民の積極的な参加を促していく。

【小木曽史人委員】
 こうした県民参加型の事業として、本年2月15日からあいちエコアクション・ポイント事業がスタートしている。
 本事業は専用サイトで自分のアカウントを作成して、登録したお店でエコアクションをするものであるが、例えばコンビニエンスストアでプラスチック製のフォークやスプーンを辞退したり、クリーニング店でハンガーを返却したり、飲食店で食べ残しをゼロにするなど、県民が環境に配慮した行動をすることでポイントを獲得でき、そのポイントをためると、抽選で賞品がもらえるものである。
 キャッシュレス決済が主流になりつつある中で、アプリでポイントをためる人も多い。そういった意味ではゲーム感覚で参加できる面白い取組であると期待をしている。まだ、事業を開始してから1か月であるが、参加店舗数、参加人数、アカウントの登録者数の現状はどうなっているのか。

【環境活動推進課担当課長(環境活動)】
 参加店舗数は約4,300店舗、アカウント登録者数は約3,600人である。

【小木曽史人委員】
 これからの事業ではあるが、認知度が足りていないと思う。県民参加型事業は、初めの宣伝が大事であり、そこから粘り強く継続的に参加を呼びかけ、中身も少しずつ変えていきながら進めていく必要がある。
 そこで、まずは来年度に向けて、より多くの県民及び事業者に参加してもらうため、本事業をどのように進めていくのか。参加事業者数や参加人数、目標値等を設定があれば伺う。

【環境活動推進課担当課長(環境活動)】
 多くの人に参加してもらうためには、県民に認知してもらう必要があり、事業開始時点での周知が重要となる。
 このため、知事による記者会見のほか、本県の公式SNSを活用した周知、参加企業であるファミリーマートと連携した広報活動や、賞品を提供している中日ドラゴンズのツイッターなどによる周知を行っている。
 多くの県民に参加してもらうためには、より多くの店舗に参加してもらう必要があるため、他の事業を参考にし、毎年度3,000店舗程度増やしていくことを目標としている。  このため、来年度は本県と包括協定を結んでいるスーパーマーケットやコンビニエンスストアなど多くの店舗を擁する事業者に対し、本事業への参加の働きかけを行うとともに、名古屋商工会議所などの団体を通じて、加盟事業者への事業参加を呼びかけていく。
 次に、来年度の参加人数であるが、他の事業を参考にして5万人程度の参加を目標としているが、さらなる周知が必要なため、本年3月16日には本県の広報媒体である村上佳菜子の週間愛ちっちにて、3月17日には株式会社FM愛知のラジオ番組で、本事業を取り上げてもらう予定である。
 今後、ポスターやチラシを活用し、参加店舗等への掲示を要請するとともに、本県の広報媒体の活用及び協力事業者などと連携した広報活動を展開していく。
 また、夏季期間の6月16日から7月15日まで、冬季の期間の12月16日から1月15日までは企業や団体からの協賛品を賞品に加えるなど、取組強化キャンペーンを実施する。キャンペーン実施時には、より多くの県民に参加してもらえるよう効果的な周知を図っていく。

【小木曽史人委員】
 あいちエコアクション・ポイント事業と食品ロス消費チャレンジ事業は、これからスタートするので、県民や事業者に広く参加してもらえるように取組を進めてもらいたいが、消費者目線からすると、この両事業を一つにできないのかと思う。
 あいちエコアクション・ポイント事業の目的は環境に配慮したライフスタイルを促すことであり、食品ロス減量チャレンジ事業の目的は資源循環であり、厳密に言えば似て非なるものだが、冊子やウェブサイトを活用するといった事業の立て付けは同じようなものである。
 そのため、消費者、利用者目線で考えると、両事業で互いに参加を促し、連携することが大事だと思う。連携の在り方、事業の仕組みについて検討を重ねながら実施してほしい。
 次に、食品ロス削減に対する県民の行動を促す取組として、3010運動について伺う。
 3010運動は、宴会や会食で最初の30分と最後の10分は、料理を楽しむことで、食べ残しを減らす運動である。食品関連事業者から出る食品ロスは非常に多く、その割合は全食品ロスの半分であり、本県でもほぼ同様の割合だと言われている。
 本県は、忘年会や新年会シーズンに合わせて、県内のホテルや旅館の協力を得て、3010運動の周知啓発を実施していると聞いたが、具体的にどのような取組を行っているのか。

【資源循環推進課担当課長(循環・一般廃棄物)】
 県民や事業者に食品ロス問題を理解してもらうとともに、宴会時の食品ロス削減を広く普及するため、2017年度から3010運動を推進している。
 具体的には、3010運動の実施を呼びかけるポスターやチラシを作成し、市町村、関係団体等に配布するとともに、忘年会、新年会シーズンには、宴会場を有するホテルや旅館へも配布して協力を呼びかけている。
 ただし、2020年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響により、多人数での会食を避けることとされていたため、状況に応じて3010運動に取り組んでもらうよう案内している。

【小木曽史人委員】
 来年度、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、第5類になるため、本年4月、5月は多人数での会食の機会が増えてくる。会食の機会が増加するタイミングで、広報啓発をすることが大事だと思う。
 コロナ禍で、3010運動が風化していると思うが、来年はどのような取組を行うのか。

【資源循環推進課担当課長(循環・一般廃棄物)】
 新型コロナウイルスの感染状況が収まってきていることを踏まえ、本年4月から5月の歓送迎会シーズンに間に合うよう、3月末までに市町村やホテル等へ3010運動のポスターを配布するなど、改めて周知する。
 3010運動の推進については、昨年2月に策定した愛知県食品ロス削減推進計画においても、食品ロス削減を進める取組の一つとして掲げており、来年度はコロナ禍で控えていた呼びかけを積極的に行うなど、宴会の増加に合わせて3010運動が広がるように取り組んでいく。

【小木曽史人委員】
 ホテル等に周知するときには、ホテル側へ宴会の幹事等に一言、3010運動の取組について働きかけをしてもらうようお願いすることが効果的であると思う。
 事業者だけでなく、宴会の主催者にも一歩踏み込んで働きかける取組をするよう要望する。

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