

令和6年警察委員会 本文 2024-12-12
【小木曽史人委員】
関連して、外免切替えについて伺う。
外免切替えの大枠については永田敦史委員から話があり、審査は厳格にとの話があった。審査は厳格に、手続はスムーズにというところで、手続の部分にスポットを当てて伺う。
質問の趣旨は、外免切替えに関し、近年の外国人住民数の増加に伴い、切替え待ちが全国的な課題となっている。愛知県も例外ではなく、新聞報道等でも、予約サイトは7時半から開いているが、1分足らずで定員に達してしまうことが毎日のように続いているとのことである。
国は、トラックやタクシー等、運転手不足を解消するため、特定技能制度に自動車運送業の追加を決定しており、また技能実習制度を廃止して育成就労制度に移行することからも、今後愛知県で働く外国人住民数の増加に拍車がかかるのは目に見えている。
そういった観点から、外免切替えについて、愛知県における特徴、先ほど件数は令和5年中で6,339件とのことであったが、その手続の入り口である予約がなかなか取れないとの話を多く聞く中で、この現状をどう認識しているのか。
【運転免許課長】
愛知県における外免切替えの特徴について答弁する。
令和5年中の外免切替え件数は6,339件であり、特徴としては、全体の約41パーセントに当たる2,623件が原動機付自転車、いわゆる原付免許への切替えであることが上げられる。
次に、現状の認識についてである。
外免切替えの予約が取れないことは、県警察としても、そうした声があることは承知しており、多くの切替え希望者が切替えできずにいると推測している。
【小木曽史人委員】
原付免許の切替えが41パーセントとのことであるが、予約枠数も事前に聞いており、平針運転免許試験場の枠は1日29枠、東三河運転免許センターでは12枠と聞いている。
そういった中、先ほどの答弁の現状認識の中、県警察としてはこれまでどのような対策を講じてきたのか。
【運転免許課長】
県警察としては、外免切替えの審査において、本年6月から、知識確認と実技確認が不要となる我が国と同等の水準にあると認められる免許制度を有している29の国と地域の専用予約時間帯を設けて予約を取りやすくしたほか、本年9月から、業務の見直し等により、予約枠の拡大を図った。
さらに、原付免許を取得しようとする人に対し、外免切替えでなく、通常日本人が原付免許を取得するのと同様に運転免許試験の学科試験を受験するよう呼びかけるなど、外免切替え制度の利用者を抑制し、円滑に外免切替えができるよう努めてきた。
【小木曽史人委員】
それぞれ工夫し、予約枠を少し増やし、何とか外免切替えを推進しようとの姿勢が見えるが、ポイントは原付免許の切替えではないかと思う。事前ヒアリング等では、ベトナムは原付の国でもあるため、ベトナムの人が非常に多いと聞いた。
原付免許は、一般受験でも外免切替えでも1日で取得が可能である。費用面も、一般受験が8,050円、外免切替えだと7,550円、差額は500円にすぎない。
ハードルは、試験問題数と合格基準があり、一般受験は、先ほどと重複するが、全48問、100点満点中90点以上、外免切替えは全10問中7問以上と、負担感はあるが、日本の道路を安全に走行してもらう以上、原付免許は総じて簡便に取得できるため、逆に必要な知識は習得してもらったほうがよいともいえる。
現在、原付の外免切替えの知識確認の多言語化は22言語対応、一般受験は5言語にとどまると聞いているが、一般受験で外免切替え並みの多言語化は、そこまで難しい話ではないとも思う。切替え件数の約4割を占める原付免許について、一般受験の方法を呼びかけると先ほど答弁があったが、極論として、これが全て一般受験に移行すれば、予約レベルでは原付以外の外免切替え希望者枠が増加する。
あくまで極論として、道路交通法第97条の2第3項で定められた外免切替え制度を利用して原付免許を取得することを県条例で禁止すれば、より効果のある対策となり、円滑な外免切替えの実施につながるとも考えられるが、そういった対応は可能か。
【運転免許課長】
外免切替えによって原付免許を取得することは道路交通法で認められていることであり、またこれらの事務の制限等について、法令による委任規定がないことなどに鑑みると、外免切替えにより原付免許を取得することを制限する条例の制定は困難であると認識している。
【小木曽史人委員】
困難であるとのことで、現実的ではないことをまず確認した。ただ、原付免許以外の、例えば普通自動車第一種運転免許を一般受験でというのは、外国人にとってハードルが高過ぎると思う。自動車教習所に通うのも約30万円から40万円かかり、外免切替えの予約ができずに外国免許の有効期限が消えそうになり、やむを得ず、外国人技能実習生等を受け入れている管理団体や事業者等が費用を肩代わりすることが実際に起きているとも聞いている。
原付免許の外免切替えによる予約は、いわゆる全切替え数の約40パーセント、それによって、それ以外の普通車等の外免切替えの予約ができない状況を何か工夫により改善できないかと感じる。
例えば先ほどの29の国の地域の専用予約時間帯を設けるのと同様、原付以外の外免切替えにもそうしたことができないか、もしくは予約サイトの中で原付の外免切替えを別枠にして予約枠を絞るなど、システムの工夫をすることもできると考えるが、そういった対策について検討できないか。
【運転免許課長】
原付免許以外の免許の専用予約時間帯を設けることは可能であるが、現在運用している外免切替えの予約システムでは、原付等の免許の種類、いわゆる免種を限定して受け付けることができない。こうした中、特定の免種の予約枠を設け、書類審査へ対象となる免種以外の切替えを求める者がいた場合、受付できないことを個別に説明するなど新たな事務負担が生じ、外免切替えの処理件数が減少するおそれがある。よって、得られる効果や他の運転免許事務に与える影響を考慮しつつ、慎重な検討が必要であると考える。
【小木曽史人委員】
答弁では、現行のシステムでは免許の種類を限定して受付はできないが、システム改修すれば、原付専用の予約時間帯を設けることはできると理解した。
そして、現在、29か国の専用予約時間枠がシステムで運用されている。事前ヒアリングの中に、その29か国以外の人が間違えて書類審査の受付、その予約時間を使って来る例があると聞いた。そういうときは臨機応変に、仕方ないといって、受付を済ますこともあり得ると聞いているが、先ほどの答弁で、受付ができないことを個別に説明するなどの新たな業務が発生するから外免切替えの件数が減少するというのは、予約システムの工夫によって間違いを減らすこともでき、運用当初は間違いもややあると思うが、それが標準となれば、間違いも減ると考えられる。慎重な検討が必要とのことだが、しっかり検討してほしい。
先ほど、これから外国人住民数の増加に拍車がかかることが目に見えていると言ったが、そもそも予約枠をかなり絞っているのは、手続の流れの中で、書類審査体制が追いついておらず、1件につき15分から30分かかると聞いている。運転免許証の様式が比較的短期間に変更される、特別な国が幾つかあるようで、書類の真贋の判定に時間がかかる国では、1件1時間程度とも聞いている。
書類審査体制を充実したとして、適性検査、知識確認は、システム化等の合理化により、審査数を増やすことが可能となると聞いているが、実技確認では、一般受験の業務等も担当する技能試験官が一緒に対応しており、ここもボトルネックになる可能性が高いと考えられる。
そこで、いずれにしても先を見越した職員の体制確保などのマンパワーの拡充が必要と考えられるが、県警察としてどのように考えているのか伺う。
【運転免許課長】
外免切替えには、書類審査のほか、知識確認や実技確認が必要となる場合があるところ、実技確認は運転免許試験の車両と同じコースを利用して実施しており、限られた面積のコースに多くの車両を同時に走行させることはできないなど、実技確認の実施件数を大幅に増やすことは困難である。結果、書類審査の予約枠を大幅に増やしても、実技確認で滞留することとなり、他の運転免許事務への影響等を総合的に勘案し、どのような体制整備が必要か、引き続き検討していきたい。
【小木曽史人委員】
最後に要望である。
今回の質問に当たり、平針運転免許試験場にも直接行った。
書類審査は、特に免許証、在留証明書等の書類の真贋で時間がかかっていると思った。今のシステムでは、4人で大体、体制をつくっているというが、マンパワーを拡充する必要性があると感じた。
知識確認はタブレットを活用しており、予約枠は拡大しても対応可能ではないかと感じた。
実技確認は、午後1時半ぐらいのところで実技現場を見たが、待っている人が約20人おり、ほぼ外国人であった。チェック項目が幾つかあり、100点満点中の7割をクリアすれば合格と先ほど答弁であったが、実技試験の合格率は2割と非常に低く、何度も受け直しに来る人が多いと聞いている。安全確認一つやり過ごすと、そこで10点減点されるようで、7割をクリアするのは非常にハードルが高い。当然、技能面で絞りをかけるのは、安全上、非常に重要と考えているが、運転技術の確認は安全上しっかり見る必要はあるが、例えば安全確認など、事前の知識レベルでやるべきことが明確になれば、何度も受け直しに来るリピーターを減らすこともできるとも感じた。
先ほどの答弁にもあった懸念もあると承知しているが、今後ますます外国人住民数は増える。現時点でも予約ができない、知識も技能もあるのに切替えの土俵に立つことすらできない、困っている外国人、管理団体、事業者が大勢いることを念頭に、システム改修とマンパワーの拡充を含めた体制整備についてしっかりと検討してもらうことを要望する。